人気コミックを原作としたテレビドラマ「パリピ孔明」が映画化され話題になっています。諸葛孔明役を向井理さんが素敵に演じていますね。しかし、軍師諸葛孔明がパリピ?こんな設定に驚くとともに、史実の諸葛孔明はどんな人物だったのか気になります。さらに司馬懿との関係にも注目が集まります。三国志に少し詳しくなれば「パリピ孔明」をもっと楽しめると思います。そこで、史実の諸葛孔明について調べてみました。
映画「パリピ孔明」の中の諸葛孔明とは
原題の渋谷に転生した向井理さん演じる諸葛孔明。さすが、三国志の天才軍師。現代にもすぐに適応してしまうとは!そしてアマチュアシンガー・月見英子の軍師となり、音楽の力で“天下泰平”を目指します。日本最大の音楽バトルフェスに参加。そして、そこに立ちはだかるのが三国時代の宿敵・司馬懿の末裔である司馬潤とshinの兄妹だった・・・。
コメディタッチに孔明が三国志の戦いさながら独特の戦力を用い音楽業界の壁を乗り越えていく、とても面白いストーリーですね。 史実の諸葛孔明はどんな人物だったのか、興味が湧いてきませんか?
史実の諸葛孔明の魅力、司馬懿との関係は?
諸葛孔明は「三顧の礼」で有名です。劉備が3度訪ねてまで迎え入れた天才軍師。数々の戦を少ない兵で勝利をおさめました。劉備の死後も、息子劉禅を全力で支えたことから「忠臣」として言われています。そして、死の間際まで政務をとり続けました。その姿は『鞠躬尽瘁、死而后已』「きっきゅうじんすい、ししてのちやむ」“身をかがめて、力の限りを尽くし、死ぬまでその責務を果たし続ける“と言われ、今も中国人だけでなく日本人にも感銘を与えています。
また、多才な文化人としても有名です。水牛や木牛流馬といった発明品を考案したり詩文や書にも優れた才能を発揮しています。音楽への造詣も深く三国志演義の中では琴を奏でる姿を描かれています。 司馬懿とは永遠のライバル。伝説的な駆け引き、数々の知恵比べがなされました。 諸葛孔明が病死した際には、司馬懿は「天下の奇才を失った」と涙を流したとも伝えられています。
パリピ孔明と史実の諸葛孔明との共通点は?
史実の諸葛孔明は策力に優れた軍師です。パリピ孔明でも現代の音楽業界で戦略を駆使し相手の心理を見抜いて先を行く展開はまさに「策士」ですね。ライブの動員戦略やSNSでバズらせる方法は戦の「兵法的」な考え方を利用していると思います。
そして、歌手・英子を「主君」のように支え、彼女の夢の実現のため全力を尽くすあたりは、諸葛孔明が劉備の忠義を尽くすところと重なります。 諸葛孔明は人の心を動かすのが上手でした。パリピ孔明でも、策略や演出で対立を回避しつつ成功に導く場面が多いですね。
そしてどちらにも共通しているのは自分の信念を曲げず、困難にあっても知恵と誠実さで道を切り開く姿だと思います。
パリピ孔明は転生したコメディではありますが、ただのコメディではなく「諸葛孔明」の生き方の本質を教えてくれる映画だと思います。
パリピ孔明の名場面と史実のエピソード比較
「パリピ孔明」の中で英子のライブに対抗する人気DJが同時間帯に会場を抑え、観客を奪われそうになるシーン。孔明は音響と照明を使った演出と心理操作で観客の流れを変えました。あえて、自身満々な静けさを演出して相手にプレッシャーを与えます。
史実で有名な「空城の計(くうじょうのけい)」の場面を思い浮かべることができます。 「空城の計」は諸葛孔明が城に少数の兵しかいないときに大軍で押し寄せてきた司馬懿に対し、あえて城門を開け、琴を奏でて落ち着いた様子を見せました。これを見た司馬懿は退却してしまいました。相手の「恐れ」を逆手に自分の弱さを自信に見せかけ戦わず勝利する共通点があると感じます。
また、パリピ孔明は英子の声や夢に可能性を見出し、自ら仕えようとしました。無名の彼女の中にある志と誠実さを信じたのですね。史実でも劉備がまだ力がない頃、諸葛孔明を迎え入れるために3度も訪問し心から頼み込みました。諸葛孔明はその誠意に応じて仕えることを決意しました。主君の夢に自分の人生を捧げる姿は私たちに感動を与えてくれます。
こうして史実と比べながら「パリピ孔明」を見れば楽しさも倍増することでしょう。また三国志に詳しくない方はきっとこの機会に興味を持っていただけるのではないでしょうか? この記事で三国志に興味を持った方、今後は司馬懿についても取り上げていきたいと思いますので楽しみにしていてください。
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