「秘密の皇帝」(原題:三国志Secret of Three Kingdoms」)。
このドラマの中で、とても気になる人物のひとり、郭嘉。
いつも咳き込み病弱、そして女性にはだらしなさそうですね。
しかし、かなりの切れ者。
史実ではどんな人物だったのでしょうか?
この記事では、史実の郭嘉はどんな人物だったのか?
そして、曹操やその他の登場人物との関係はどんなだったのでしょうか?
そのあたりを掘り下げてみます。
「秘密の皇帝」史実に基づく登場人物:郭嘉と曹操
「秘密の皇帝」での郭嘉(かくか)、とても魅力的でしたね。
曹操の軍師でありながら、献帝(劉平)の人となりに共感し、正体を見破りながらも協力したり、任紅昌(貂蝉)の素性を知りながらも、知らないふりをしそばに置いていたり。冷静沈着だけれども情の深さを感じます。
郭嘉役を演じた俳優さん、とても素敵でしたね。
では、史実の郭嘉はどんな人物だったのでしょうか?
郭嘉はもともとは袁紹(えんしょう)に仕えていました。
しかし、袁紹を見限り荀彧(じゅんいく)を介して曹操に仕官したのです。
曹操は、人材を集める際に能力さえあれば、相手の身分や過去の経歴にはこだわらなかったようです。
「ただ才ある者を挙げる」という考えだそう。
そして、過去よりも現在、自分にどれだけ忠誠を誓うか、そして能力があるかを重視していました。
郭嘉は曹操に出会い、「まことに私の君主だ」と思ったそうです。
そして曹操は郭嘉を、「余の大業を完成させてくれるのはこの男だ」と思ったそうです。
郭嘉は実際才能あふれる人物でした。
郭嘉は多くの献策・助言を行い、曹操の覇道の基盤固めに貢献したと言えます。
しかし、38歳の若さで病に倒れ亡くなりました。
「秘密の皇帝」でも、病弱でしたね。
そして、若くして亡くなっています。
曹操が彼の死を痛切に惜しみました。
あの有名な『赤壁の戦い』は郭嘉が亡くなった以降のことです。
もし、郭嘉が生きていたなら、赤壁の戦いで曹操が敗れることはなかったかもしれません。
実際に曹操は、赤壁の戦いで大敗した後、「郭奉考(郭嘉)がいればこんな目ににはあわなかった」という言葉を残しています。
「秘密の皇帝」の郭嘉は女性関係にだらしないような印象がありますね。
史実ではそのような記録は内容です。
38歳という若さで亡くなっていることもあり、あまり私生活に関する逸話は残っていないようです。
ただ、交友関係は限定しており、少し変わってはいたのかもしれません。
史実では病弱でありながら、冷静な分析力をもち先見性に優れた切れ者軍師。
ドラマでは型破りな天才軍師像を、女性関係に奔放、酒好きという脚色をすることで、「常識にとらわれない」「掴みどころのない」、そんな人物にしたのでしょう。
そして、ドラマの中でも「本気でだらしない」とは感じませんね。
そう見せているだけ。そんな印象を感じます。
だからこそ、本来は敵陣営の軍師である任紅昌(貂蝉)も彼を愛してしまったのだと思います。
とても魅力的な郭嘉ですね。
かなり切れ者だった、普通では思いつかないような策を編み出す、そんなところを強調するために「秘密の皇帝」の郭嘉は女性好き、気ままな性格にしたのでしょう。
いずれにしても、郭嘉は曹操にとって、なくてはならない人物だったのは間違いありません。
郭嘉が亡くなったことを知った曹操の落胆は印象的でしたね。
「秘密の皇帝」史実に基づく主要人物:楊修と司馬懿・郭嘉
「秘密の皇帝」に登場する楊修(ようしゅう)。
彼も実際に三国志で実在する人物です。
楊彪(ようひょう)の息子です。
主簿(しゅぼ)として曹操に仕えていました。
主簿とは、今で言う秘書や官房長のような感じです。
公文書の作成や、書類管理、日程調整などを担当する文科系の役職です。
かなり聡明だったようです。
しかし、聡明すぎるがために曹操に猜疑心を抱かせてしまったようです。
最終的には処刑されます。
「秘密の皇帝」では司馬懿と楊修とで、まるで知恵比べをしているようでしたね。
でも史実の中では、このふたりの交流の記録はほとんどないようです。
ただ、後継者問題(曹丕VS曹植)では、楊修は曹植派。そして司馬懿は曹丕派です。
このことで、敵対関係であった可能性はあります。
「秘密の皇帝」で楊修は曹植、そして司馬懿は曹丕に仕えていますね。
そして、楊修と郭嘉の関係ですが、史実では直接的な関係は薄いようです。
郭嘉は早くに病死しています。
二人が同じ陣営で活動していた記録は甘しないようです。
このように史実ではほぼ交わらない楊修、司馬懿、郭嘉が同じ空間で交じり合う。そんな大胆は脚本により、3人の知略戦や人間関係が複雑に絡みあい面白さが強調されているように思います。
楊修も司馬懿も郭嘉も、3人とも非常に賢く才能あふれる人物です。
この中で野望をむき出しにしていたのが楊修です。
結局は曹操に処刑される。
聡明さを前面に出しすぎたのですね。
曹操は非常に疑り深いで性格。
司馬懿や郭嘉は、そのことをわきまえていました。
才能の使い方を、この「秘密の皇帝」の中に見たような気がします。
「秘密の皇帝」のドラマには、史実で登場する人物を題材に、交わることのない人達を交わらせて深みのあるドラマとなっています。
「え?ありえない!」
そんな内容ではありますが、それぞれが人間味あふれるキャラクターとなっているとところが面白く、史実ではどうだったのか?と興味が湧いてきます。
でひ、この「秘密の皇帝」から三国志に登場する人物について知り、三国志の世界を旅してみたらいかがでしょうか?
そして、このドラマを見たら、きっと楽しみ方が変わってくるでしょう。
そして面白さを倍増すると願っています。
コメント