「秘密の皇帝」皇后の死の真相ー史実との違い

「秘密の皇帝」
なんと、皇后は毒を賜り亡くなってしまいます。
これは史実ではどうだったのか気になりませんか?
本当に曹操側に殺されたの?
この記事では、ドラマと史実の違いについて解説していきます。

「秘密の皇帝」での皇后の死

ドラマ「秘密の皇帝」では、皇后:伏寿は父:伏完が曹操を討とうとしていました。
娘の伏寿が必死に説得、断念しようとしましたが、司馬懿の策略で死んでしまいますね。

司馬懿は曹操側に伏完のたくらみをリーク。
しかも献帝に伏完の動きを止めさせるように、曹操の息子曹植を使い曹植も処分しようとする悪だくみ。
これには天敵:楊修も使う。

司馬懿の巧妙な罠にみんなはまってしまします。
司馬懿は唐瑛の敵討ちに目つきも変わっていますね。

そんなわけで、伏完の曹操を討とうとする動きがばれてしまう。
伏完は死に、そして娘である伏寿も死を逃れられない状況になるのです。

史実でも皇后:伏寿は曹操に殺されます。
牢獄で悲惨な死を迎えたという記録があります。

ドラマでどのように演出するのか?
気になりながら視聴していました。
父:伏完の反乱?
史実でもこんなだった?
そんな話あったかなー?
そう思い調べてみました。

史実では伏完の反乱はあったのか?

まず、伏完とは?
伏完とは皇后の父ですね。
これは実際でもそうです。

献帝の皇后:伏寿の父として献帝の外戚になります。
漢王朝にとっては、「皇帝を支える後ろ盾」、漢王朝にとっては重要人物です。

しかし、曹操にとっては目障りな存在。
「皇帝という後ろ盾を利用して自分に逆らう存在」です。

そして、ドラマでも出てきました、「董承の反乱」。
これに関与したと危険視されています。

しかし、史実では特に反乱に関与したという記録はありません。
むしろ、おとなしくしていたようです。

後漢末の名門一族の一員で学問的に高い家柄。
きっと、疑り深い曹操は、名門一族ということが、そして皇后の父ということが気に入らない。
疑わしくは排除したかったのでしょう。

曹操は「われ天下人に背くとも、天下人をわれに背かせじ」
こんな言葉を残しています。

「自分が人を裏切ることはあっても、人に裏切られることだけは許さない」
ということ。

なんて自分勝手な言い分でしょう。
でも、曹操らしい言葉ですね。

ドラマの随所で、そんな曹操の行動は見て取れます。
気に入らない、こいつは怪しい。
そう思えば処罰する。

そんなわけで、史実では伏完の反乱の事実はありません。
ただただ、外戚ってだけで殺された?
そして伏寿も?
そんなー。って感じしますね。

史実での伏寿とは?

では、史実での皇后:伏寿はどんなだったのでしょうか?
ドラマでは父の行動を諫める立場でしたね。
伏寿は曹操を打倒したかった。
「董承の反乱」も伏寿たちが企てていました。

ところが、献帝(劉平)と共に暮らして行く中で、やみくもに曹操を打倒しようとしても無駄なのだ、と時世を読み取ります。

しかし、史実では父:伏完よりも積極的に動いていた様子です。
董承の反乱の失敗で献帝の立場は追い込まれます。
それでも、皇后は夫である献帝を支え、曹操に対抗しようとしていたようです。

「皇后と帝が曹操を呪詛(じゅそ)した」
という記録があります。
これは呪詛事件と言い、これが皇后を死に追いやったとも言えます。

曹操を呪う木人(もくじん)に符籙(ふろく)という呪いの札を貼ってある。
これが発見され、皇后が関与したとされています。

実際に関わったかは定かではなく、もしかしたら曹操側のでっち上げかもしれません。
とにかく、邪魔者を排除したかった曹操の仕掛けたことかもしれません。

ただ、伏寿は静かにしているだけの女性ではなかったのは確かなのだと思います。

傀儡状態の献帝の妻が随分強いなー。
このドラマの視聴開始時、そんな感想がありました。
でも、実際もただ運命を受け入れるだけでない女性だったのかもしれませんね。

となると、逆に父の伏完は娘に巻き込まれたともいえるのかもしれません。

皇后:伏寿の死、その後

皇后はドラマの中では毒を賜り死んでしまいます。
このあたりの描写は感動しましたね。
献帝(劉平)との愛情の深さを感じる感動的なシーンです。

そして、これを機に劉平は司馬懿と決裂する。
実際は…。
そこは、この後のドラマの展開が楽しみなところ。

ところで、曹操は?
目ざわりな伏親子を排除してすっきり?

って感じでもなさそうでした。

ドラマではこの伏完の反乱について、楊修の父:楊彪(ようひょう)だけでなく、荀彧(じゅんいく)も関わっている。反乱の計画を知っていた。
という証拠の手紙が出てきます。

これは司馬懿が仕組んだもの。

これに曹操は憤慨してましたね。
楊彪はともかく、荀彧までもが…。

その後、曹操は荀彧の元を訪ね、「空の器」を渡します。
これは「お前は不要だ」という無言の圧力。
荀彧は自ら命を絶ちます。

史実でも曹操に最も信頼された人物。
ドラマでも曹操は荀彧を信頼しています。でも彼は献帝や皇后に対してもよき理解者の立場として描かれています。

史実での荀彧も自害したと記されています。
荀彧は漢室を尊びつつ、曹操の補佐をしていました。
曹操なら天下統一をしてくれる、ただし、漢王朝を滅ぼす形ではなく、補佐するという立場で。
そんな思いがあったのではないでしょうか?

でも、曹操との理念が食い違ってきてしまったのですね。
ドラマでは献帝が曹操を魏公に任命していますが、実際には曹操の圧力でそうするしかなかったのでしょう。

史実では、こうして曹操が魏公になったことが、荀彧には違和感を覚えたのだと思います。

徐々に荀彧は心の中がモヤモヤしています。
そして、曹操に意見するシーンも。
曹操は気に入りません。
そして、もうお前は不要だと無言のメッセージとして空の器を渡す。

それでいて、亡くなったと聞いてショックを受ける曹操…。
曹操は大事な右腕の荀彧を失います。
そして、楊修も。
味方を自らの手で失っていく様子。
ドラマではその背中が小さく見えますね。

皇后の死からドラマがまた新たな展開となっていくドラマ「秘密の皇帝」。
この記事では、そんな皇后の死について深堀りしてみました。
いかかでしたでしょうか?

ドラマと史実の違いを読み解きながら視聴すると、三国志の世界が楽しくなりますね。

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