中国ドラマ「美人骨後編」、原題「一生一世」
前半に続き、淡々とした話の展開。
すごく話が持ち上がるわけでもなく、退屈と感じるかたもいらっしゃるかもしれませんね。
でも、視点を変えれば見どころ満載。
中国の景色や伝統を感じることができます。
この記事では、そんなドラマの見どころをご紹介します。
「美人骨後編」ロケ地を楽しもう
「美人骨後編」の舞台は、上海、鎮江、西安。
上海は时宜(シーイー)の住まい。
时宜は声優として成功をおさめ、若くしてマンションを購入。
そして、途中から周生辰も上海に移り上海の研究所で働きます。
鎮江は周生辰(ジョー・シェンチェン)の実家、そして时宜の両親も鎮江出身。
时宜は鎮江では親戚の家に滞在しています。
そして、西安
周生辰は西安の研究所で働いていた時に西安に来た宜と再会しています。
そして、前編の最後の方では、周生辰は意識を失ったままの时宜を連れ西安の移り住みます。
こうして3都市が映し出されるこのドラマ。
風景の撮り方も美しく、建物を観ているだけでも楽しいです。
そして、中国に行きたいと感じてしまいませんか?
ところで、周生辰は足しげく鎮江と上海を行ったり来たり。
そんな近い?
と疑問に思いませんか。
上海中心部から鎮江まで、直線距離は200㎞前後だそう。
高速道路も整備されているので、車で2時間半~3時間程度で行けるようです。
日本なら東京から静岡ぐらいの距離です。
車で気軽にとは言えないけれど、まあしょっちゅう行ったり来たり、できない距離ではないですね。
特に広い中国なら、それくらいはあたり前の移動距離なのかもしれないですね。
都会を感じる上海と、伝統を感じる鎮江。
この日常と非日常的な対比が楽しめるのが、このドラマの魅力だと感じます。
「美人骨後編」周生辰の実家はどこにあるの?
そして、気になるのは周生辰の実家。
鎮江のどこにあるの?
撮影所?
このために作った?
気になりませんか?
実はこの建物、鎮江ではないんです。
蘇州にあるホテルだそうです。
すごい家だと感じませんでしたか?
敷地内に京劇ができる専用の舞台があり、それを取り囲むように蓮の池。
伝統的な中国の雰囲気が感じられる装飾の数々。
そして、时宜が衣装をそろえる為に訪れたお店も蘇州運河沿いにある美術館だそうです。
鎮江という設定ですが、ロケは蘇州なのです。
蘇州は上海の西側に位置し、ほぼ隣の都市です。
蘇州は世界遺産に登録されている「蘇州古典園林」が有名。
水の都、「東洋のベニス」とも呼ばれます。
でも以前中国語の先生に「中国のベニス」と言ったら、「そうなの?そんな風に日本人は言うの?」と言われてしまった思い出があります。
中国ではそのようには言わないのかもしれません。
そして、鎮江はどちらかというと工業都市。
それほど、古い歴史を感じる都市ではないようです。
ですから、周生辰の実家はそんな工業都市のあまり伝統を感じない街にあって、特別な邸宅ということですね。
それこそ、非日常をシーンを生み出しているのではないでしょうか?
そんな視点でご覧になってみてください。
周生辰の実家の非日常を物語る衣装
周生辰のご実家生活。
「こんな家あり?こんな家族いる?」とびっくりしませんでしたか?
周生辰の母(義母)はいつもチャイナドレス。
时宜も初めて実家を訪問した際は、周生辰が準備したチャイナドレスを着ていましたね。
実はチャイナドレスと言ってしまいましたが、厳密に言えば「旗袍(チーパオ)」と言った方がいいのかもしれません。
「旗袍(チーパオ)」は中国での正式名称です。
体にぴったりとフィットしていて、足さばきがよいようにスリットが入っています。
そして、長めの立ち襟が特徴。
ドレスの丈も長めです。
チャイナドレスというと、イベントとかで着るようなラフな感じだと思います。
中華料理店の定員さんが着ていたりするタイプですね。
时宜が周生辰の実家に初めて訪ねた時など、丈は短めです。
正式には旗袍ではないのかもしれません。
でもとても品がありますよね。
特に長めの立ち襟は気品があふれています。
时宜演じたバイ・ルーは旗袍美人と評されました。
私もこんな素敵な旗袍を着てみたい。
そんな気持ちでドラマを楽しみました。
現代ドラマであって、中国の伝統も感じさせる風景や衣装、そして自宅で京劇鑑賞・・・。
そして、キャリアウーマンとして、都会で成功した女性主人公の暮らしと、様々な視点で楽しめます。
ストーリーが淡々として物足りなさはあると感じる方は、こんな違う視点で楽しんでみたらいかがでしょうか?
そして、アレン・レンとバイ・ルーの静かな演技も、しっくりきて「あれ?意外といいドラマ」
と感じるかもしれません。
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