「三国志外伝ー愛と悲しみのスパイ」の各話タイトル、気になりませんか?
これは中国古典兵法「三十六計」から得たタイトルです。
そしてこのドラマ原題「风起陇西」では24話の構成。
これが吹き替え版として配信時には17話に編成されたいます。
24話各話のタイトル、すべてに意味があるので残念なところですね。
そこで、この記事では「三十六計」について、そして最終話タイトルに込められた意味をご紹介します。
中国古典兵法「三十六計」とは?
原題「风起陇西」の各話のタイトル。24話中20話は中国古典兵法「三十六計」から取っています。
各話タイトルから、「策略」が見えてくるようになっているのですね。
なかなかに考えられています。
そして、それがこのドラマをさらに面白くしています。
でも、日本人には「中国兵法」はなじみがないので、その面白さを伝わりにくいのではないでしょうか?
「三十六計」は中国兵法の知恵の結集です。
戦国時代や三国志でも使われています。
では、いつ頃できたものなのでしょうか?
中国の歴史は「戦いの歴史」とも言えますね。
春秋戦国時代から三国志の時代まで、そしてその後も多くの戦いの歴史。
その中で生まれたのが「三十六計」なのです。
この「三十六計」は南北朝時代の言葉が起源とも言われています。
「走为上計」(逃げるが勝ち)という言葉は、この頃に言われた言葉。
この頃にはまだ口で伝えられていたようですが、これが明~清の時代に整理されました。
戦乱の時代を背景に、古代から伝わる戦術や故事を整理して36のパターンにまとめました。
ですから、「三十六計」という言葉自体は三国志の時代にはなかったのだと思います。
でも、古代からの戦術の知恵は言い伝えられていた、それを元に戦いを挑んできたのです。
中国ドラマでは、この「三十六計」の戦術を模した戦いがよく登場します。
これから中国ドラマの戦いのシーンを見た時には、「三十六計」について考えてみたら面白いかもしれません。
そして、この「三国志外伝ー愛と悲しみのスパイ」の各話タイトルにこの三十六計を用いていることが、このドラマを重厚なものにしてくれます。
三十六計のひとつ、走为上计(逃げるが勝ち)
「逃げるが勝ち」という言葉、聞いたことありますよね。
そうです、これも三十六計のひとつ、実は最後の策なのです。
こう聞くと、三十六計が身近に感じませんか?
そうかー。
では、この「逃げるが勝ち」はどこに出てくる?
結論から言えば、「三国志外伝ー愛と悲しみのスパイ」では使われていません。
でも、せっかくなので「逃げるが勝ち」についてご紹介します。
走为上计(zǒu wéi shàng jì)
直訳すれば、「走る(退く)のが最上の策」。
敵が強すぎてふりな場合は撤退して力を温存するのも大切。
体勢を立て直すためには、一旦退くことも勇気ある判断なのです。
これは三十六計の最後の一計。
色々尽くしても、ダメな時は逃げる。
逃げることは決して臆病ではないのです。
私たち生活においても、無理して頑張り続けることが美徳ではありません。
その環境が本当に合っていないのなら、そこで無理して体を壊すなら、そこから去ることも必要な判断。
私たちが生きる術を「中国古典兵法」から学べますね。
実際、中国ではこうした兵法の知恵は現代社会でも「教訓」として生きています。
しかし、「三国志外伝ー愛と悲しみのスパイ」では、この「逃げるは勝ち」は使われてないのです。
なぜなら、「逃げてはいけない」のです。
このドラマは「逃げる」ことではなく「犠牲」がテーマとも言えます。
表舞台に登場しないスパイたち。
スパイたちに「逃げる」という選択権はないのです。
あるのは「犠牲」。
友情や愛情、そこも大切だけれども、それすらも犠牲にしなければならない悲しみ…。
ですから、日本でもよく耳にする言葉「逃げるが勝ち」はこのドラマでは必要のない言葉。
では、「三国志外伝ー愛と悲しみのスパイ」では三十六計のうち、どんな策が使われているのでしょうか?
今回は最終話のタイトルについて解説です。
「三国志外伝ー愛と悲しみのスパイ」最終話のタイトル
最終回のタイトルは
李代桃僵(lǐ dài táo jiāng)(りだいとうきょう)
「李(すもも) 桃に代わりて僵(たお)る」
桃の木守るために李(すもも)の木を犠牲にする
大切なものを守ためには、別の何かを犠牲にしなければならない。
大きなものを守るため、小さなものは犠牲にする計略です。
スパイたちは国(蜀)の存続を第一に考えて行動してきました。
魏との情報戦で蜀が敗れ崩れてしまえばすべてが終わる。
国家に比べれば、自分たちの命はちっぽけです。
そして、スパイ同士の駆け引きの中での犠牲。
仲間を守るため、自分も守るため、真実を隠し犠牲になる者。
このドラマでは、陳恭がすべての罪を背負いました。
これは、荀詡を守るためであり漢を守るために自分を犠牲にしたのです。
自分や漢を守るために荀詡を犠牲にはできなかった。
陳恭は、愛する妻:翟悦を失たその時から、すでに自分の死も覚悟していたのです。
自分は父の仇を討つためにやったと、そうすることですべての罪を背負った。
荀詡は陳恭をそんな男ではないはずだと、思ったことでしょう。
そして、自分が陳恭を死に追いやったと苦悩します。
陳恭が処刑されこの世を去り、その後林良から、自分が逃げられたのは陳恭が仕組んだことだと告げられます。
色々な思いが交差する中で、この事実を知り、胸が張り裂けそうだったのではないでしょうか?
それと共に、陳恭に対する熱い思い、自分にとって大切な友であり義弟であり、戦友であった。
そして、これからもその思いは変わらない。
犠牲となった翟悦と陳恭を胸に新たな任務に向かう。
犠牲の上に今生きている自分に、何を思ったのでしょうか?
国を守るためにはスパイの命なんて、小さな犠牲なのかもしれません。
でも、色々と考えさせられる最終回でしたね。
桃の木守るために李(すもも)の木を犠牲にする
陳恭は李(すもも)
桃の木は荀詡、さらには国
この時代は、自分の命よりも国が大切なのかもしれません。
でも、そこで何を守るのか?何を犠牲にするのか?
犠牲も美徳とされる時代。
でもただの犠牲ではなかったと思います。
陳恭の生き方、そして信念。
妻を死に追いやり、苦悩する日々。
国のために妻さえも犠牲にしてしまった後悔。
様々な想いが交差してことでしょう。
天国で二人が幸せに暮らすことを願わずにはいられませんね。
妻との日々を思いおこすような映像…。
これなくてもいいのでは?
ふとそんなことも思いましたが、やはりこの犠牲の意味を考えると必要なのかもしれません。
感想は人それぞれだと思いますが、皆様はどう思われますか?
考えさせられるドラマだったと思います。
三十六計の起源は南北朝時代 南北朝時代を題材にした中国ドラマ
さて、「三十六計」の起源が南北朝時代。
南北朝時代はどんな時代でしょうか?
そこで、南北朝時代を題材にした中国ドラマをいくつかご紹介します。
まずひとつめは「琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~」
ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
このドラマは架空の王朝「梁国」が舞台ですが、南北朝時代をモデルにしていると言われています。
皇帝の後継者争い、復讐劇で戦略や駆け引きが見ごたえあります。
そして、「独孤伽羅〜皇后の願い〜」
こちらも有名ですね。
独狐家の三姉妹を中心に繰り広げられる、政略結婚、王朝をめぐる動乱。
南北朝時代が始まる直前から移行期の話です。
また「王女未央-BIOU-」も南北朝時代の宮廷をめぐるロマンスと陰謀劇。
どの作品も少し以前のものですが、ぜひ機会があったら視聴をお勧めします。
そして、南北朝時代がどんな時代だったのか?想像を巡らせるのも楽しいと思います。
この記事では「三国志外伝ー愛と悲しみのスパイ」の各話のタイトルから「三十六計」について
紹介しながら、最終話についてお話しながらタイトルについて思いをはせてみました。
中国歴史ドラマには、日本人には伝わりにくいけれども、奥の深い演出がちりばめられています。
その一つがこうしたサブタイトルの演出。
そんなところも魅力のひとつだと思っています。
皆様はどう思われますか?
そして、24話構成が気になる方は、ぜひそちらを視聴をしてみたください。
このドラマ、1回視聴するだけではわかりにくいですよね。
何度か視聴しながらタイトルの意味を考えていったら楽しいと思います。

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