「虚顔~偽れる顔と真実の愛~」ご覧になりましたか?
短編ドラマながら、じんわりとした人気があるように思います。
主人公の丞磊(チェン・レイ)が最近、本格化ドラマで脚光を浴び始めた影響でしょうか?
私はチェン・レイ大好きです。
特にこの「虚顔~偽れる顔と真実の愛」の彼が一押し。
何度も見てます。
そこで、ふとこのタイトルについて深掘りしたくなりました。
この記事では、タイトルに隠された思いを考えてみました。
中国語「虚颜」の「虚」の意味
「虚颜 (xū yán)」カタカナで表記すると「シューイエン」
これを日本語読みだと「きょがん」
少し響きが良くないなー。というのが私の感想。
おかしな日本語タイトルよりはいいけど、少し残念。
でも、この発音を気にしなければ、原題そのままはうれしいです。
サブタイトル「偽れる顔と真実の愛」も素敵。
「偽れる(いつわれる)」なんて言葉は普段あまり使わないと思いますが、詩的な感じがしていいと思います。
中国ドラマが日本上陸の際に、とんでもなくおかしなタイトルに変身してしまうことがありますが、これは私の中では合格です。
「きょがん」という響き以外は…。
そこで、ぜひ中国語読みで覚えてほしい、なんて思います。
「シュー イエン」
って、中国語は発音が難しいですね。
ですから、発音はここでは練習できないので、中国語の言葉の意味を考えてみます。
この「虚颜」とうタイトルから、にせものの顔かな?とは想像つきますね。
女性主人公の顔が変えられてしまった。そこから物語はスタートします。
この「虚」と「颜」について考えてみましょう。
「虚」と「颜」を中国語の意味を考えよう
「虚颜」単純に考えれば、「偽りの顔」ですよね。
日本語サブタイトル「偽れる顔と真実の愛」の「偽れる顔」。
「虚(xū)」は偽り・空虚・中身がない、などの意味
「顔(yán)」は顔・容貌
などの意味。
これは漢字から日本語と同じですよね。
ただ中国語で「顔」は、日本語の顔よりはもっと奥深い意味があると思います。
表面的な顔や要望ではなく、メンツや面目といった意味合いが強いと感じます。
普通に顔を意味する言葉は「脸(liǎn)」です。
例えば、「彼女の顔はきれいだね。」と言いたい時は
「她的脸很漂亮。(Tā de liǎn hěn piàoliang.)」です。
「顔」は詩的な表現に使うようです。
文学的な使い方が多いのです。
ですから「虚颜」は、もちろん表面的に違う顔という意味もありますが、その奥に秘められた意味として、虚ろな存在、虚ろな美しさを意味するのだと思います。
日本語でも「虚」は虚しい(むなしい)や見せかけと言った意味がありますね。
「虚」って空虚とか偽りというマイナスイメージもありますが、謙虚とか悟りというプラスのイメージもあります。
これは日本語でも中国語でも同じなのかなと感じます。
これらのことを考えると、「虚颜」の意味はめちゃくちゃ奥深く感じませんか?
顔をすり替えられた主人公:十七。
この偽りの顔に戸惑いました。
でも、偽りの顔で偽りの身分で政略結婚させられた相手は、探していた思い人。
そして、この結婚を拒絶したら、相手の立場が危うくなってしまう。
全てを受け入れ、偽りの顔で、偽りの身分で生きていく覚悟をする。
この覚悟こそ、「虚」の意味するプラスのイメージなのだと感じるのです。
なんて深く考えすぎ?
いえ、中国ドラマのタイトルって、とても深い意味がある作品が多いと思ってます。
このドラマは短編のB級ドラマです。
でも本当にクオリティーが高いと感じます。
見た目の顔が偽りなだけでない世界も表しているのです。
それを日本語のサブタイトル「偽れる顔と真実の愛」に込められているんですね。
「偽れる顔と真実の愛」とは?
このドラマ、本当に真実の愛を感じるドラマ。
そこには女主人公:十七もですが、やはり私が感動するのは、丞磊が演じる将軍・萧寒声。
彼もまた、ずっと十七のことを探していました。
そして、目の前に現れた本人。
でも違う顔。
政略結婚の相手、警戒したいところですが、「悪人ではない」と感じとる。
どこまでも彼女を信じ続ける。
そして徐々に、「自分の探していた女性なのではないか?」
と疑い始める。
疑いから確信に…。
素晴らしいですよね。
軍師になだめられてもやじられても信じ続ける男気に私は感動です。
そして、ひたすら守る姿がかっこいい。
十七が男装して出かけるとか、1人で男性(寧王)に会いに行くなんておかしいでしょ?
でも、守り続けるなんて。
このあたり、ドラマならではで、普通に考えたらあり得ないですが、でもいいんです。
そういう細かなことはスルーして楽しみましょう。
寧王が強引に十七(沈沁だと思っている)にキスをしようと迫る場面で、萧寒声が寸でのところで助けますね。
小刀を寧王の首元に突きつけるシーンなんて、あの姿、顔つきとも素晴らしくかっこいいと思いませんか?
そして、静かに十七のもとの近づき、「家に帰ろう」と抱き上げるシーン。
普通だったら激高しますよ、自分の妻が他の男と密会ですから。
見た目ではなく心のままに。
自分の心の声を信じて、「彼女は悪い人ではない」とひたすら信じる。
そして言動から、自分の差がいていた女性なのでは?と疑い、そして確信する。
確信後も、本人が真実を明かすまで待ち続ける姿、これこそ、「真実の愛」ですね。
私は中国ドラマの日本語タイトルがとても気になります。
がっかりしてしまったすることも多いのですが、この短編ドラマはサブタイトル含めいいのではないでしょうか?
そして、中国の原題は短い言葉の中に、とても奥深さを感じるタイトルが多いです。
こうしてタイトルから、中国語にふれていくのも楽しいと思いませんか?
この「虚颜」は短いドラマなので、何度でも気軽に視聴できますね。
中国語学習にはぴったり。
次回もこのドラマで中国語に触れる記事を楽しみにしていてください。

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