「美人骨」憧れが愛に変わるーセリフから学ぶ中国語の美しさ

真実の愛とは?
そんなことを考えさせられる中国ドラマ「美人骨」。このドラマの中で印象的なセリフがあります。詩のような言葉を通し、中国語の奥深さを感じながら、中国語の勉強もしていきたいと思います。

中国ドラマ「美人骨」あらすじ

『美人骨』は、前世と現代、二つの時代を越えた愛を描くラブストーリー。

前世編「周生如故」では、皇太子妃に選ばれた名家の娘・時宜が、誠実な将軍・周生辰と出会い、立場を超えて心を通わせます。
しかし運命に引き裂かれ、切ない別れが訪れます。

現代編「一生一世」では、声優として生きる時宜が、生まれ変わった周生辰と再会。
前世の記憶はなくても、魂が引き寄せ合うように、二人は再び惹かれ合っていきます。

静かに紡がれる言葉と深い感情が心に残る、美しくも切ない“魂の恋”の物語です。

このドラマ『美人骨(周生如故・一生一世)』は、派手な展開や強烈な演出は抑えられ静かに流れる時間と、内面の感情の機微を丁寧に描いています。

「地味すぎる」
「盛り上がりに欠ける」

こんな感想を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

一見地味に感じるかもしれないこの作品。
でも、淡々とした語り口の中に、
心の深いところにそっと触れてくるような“言葉”と“間”があるのです。

派手な愛ではなく、魂の深いところで呼応するような恋。
それは、日本語ではなかなか表現しきれない中国語の美しさと重なり合っています。

「女以色授、男以魂与、情投意合、心情与侧」

「女性は美しさで想いを授け、男性は魂を与えて答える。
想いが通じ合い、心が自然と相手のそばに傾く。」

まるで詩のような響きを持つこの言葉。
この短いセリフの中に「愛とは何か」「心を通わせるとは何か」という深いテーマが詰まっていると思います。

女以色授,男以魂与,情投意合,心倾于侧
(nǚ yǐ sè shòu, nán yǐ hún yǔ, qíng tóu yì hé, xīn qīng yú cè)

女以色授

色はここでは「色香」「美しさ」「女性らしさ」などを含む詩的な表現。
授ける(授)という動詞で、女性の側が愛情を差し出すというニュアンスに。

男以魂与

男性は「魂」=命や心の奥底を「与」=与える。
一時の感情ではなく、人生そのものをかけるような深い愛が感じられます。

情投意合(成語)

「心を投じ、想いが合う」=完全に心が通じ合っている状態。
現代でもカップルの関係や友情を表すときに使われます。

心倾于侧
「心が相手のそばに傾く」
理屈ではなく、本能的に相手を想い、寄り添う感情が伝わってきます。

美しい言葉ですね。
そして、「こんな愛の表現があるんだ」と驚きました。
日本語ではなかなか言葉にできない「魂を与えるような愛」静かな演技の中で際立った美しさを放っています。

时宜の思いに心を寄せて

このセリフを言った時、时宜は師匠である周生辰に愛をいう感情があったのでしょうか?
まだこの時には周生辰に対しての感情が“愛”だとは気がついてなかったのではないでしょうか。
この時にはまだ“憧れと敬愛”が混じりあった、純粋な想いだったと感じます。
まだ自分自身でも気がついていない感情“愛”が心の奥底に芽生えた瞬間だったのかもしれません。
周生辰の佇まい、知性、優しさに触れる日々、心が自然と彼に傾いていく。
それがまさに最後の句「心倾于侧」。
愛とは認識していなくても“魂”は周生辰に傾き、そばにいたいと感じたのだと思います。
魂と魂が共鳴し合うような静かで深い愛の物語。
この一文が、二人の絆、そしてやがて迎える運命の結末に向けて、重要な意味をもています。
是非原文の奥深さを感じながらドラマを楽しんでほしいと思います。

中国語の美しさに魅せられて

中国語には短いフレーズの中に深い感情が込められています。そして、一文字一文字が持つ意味が、言葉の深みと余韻を与えてくれます。
「美人骨」のドラマの中には、他にも心を静かに揺らす言葉があります。

私が中国語を学び続ける理由、それは中国語の美しさに魅せられたからです。
あなたもぜひ、中国ドラマを通して中国語の美しさに触れてみてください。

そして、この「美人骨」から、「愛とは何か?」「運命とは何か?」感じとっていただけたら嬉しいです。

 

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