檀健次が魅せる「秘密の皇帝」の曹丕の魅力

ドラマ『秘密の皇帝』の中でも、とりわけ印象に残った人物の一人が曹丕(そうひ)です。演じたのは実力派俳優・檀健次(タン・ジェンジー)彼の繊細な演技が、この複雑な人物を見事に表現していました。そんな彼の魅力と共に曹丕についてどんな人物だったのか?史実と「秘密の皇帝」で描かれた曹丕との違いを考えていきたいと思います。

「秘密の皇帝」の曹丕、史実との違いは?その魅力に迫る

まず、「三国演義」の曹丕は、史実をもとにしながらも忠義と仁義を重視した「儒教的な視点」で描かれています。そのため、曹丕という人物はあまり好意的には描かれておらず、冷酷・野心家・弟の才能に嫉妬するひねくれた人物という印象です。最終的に漢の献帝から禅譲を受け皇帝となりました。禅譲と言っても曹丕が強制して奪い取ったというイメージが強いですね。

「秘密の皇帝」では史実をもとにしながらも、父・曹操に認められたいという切実な想い。                     そして、それを得られなかったことによる屈折と苦悩。同時に、誰よりも冷静で理知的な計算と野心が宿っている。まさに二面性をもった人間臭い曹丕が、静かに、時に冷たく、時に哀しげに描かれています。

数多くの「三国志」の中でも、ここまで曹丕が魅力的に描かれたものは他にはないのではないでしょうか。

「秘密の皇帝」で曹丕を演じた檀健次の演技

「秘密の皇帝」の曹丕が魅力的なのは脚本はもちろんですが、それを演じた俳優・檀健次の演技力だと思います。

彼の演技は、台詞よりも目の動き、口元の緊張、ほんの一瞬の沈黙にこそ力があります。
自分の思いをすべて言葉にはせず、むしろ「言わないことで伝える」演技。
それが、曹丕という人物の「野心を秘めた仮面」をよりリアルに、より美しく浮かび上がらせています。

そして曹丕は冷静で計算高い一面だけでなく、内に秘めた優しさや葛藤、人間的な温かさもにじみ出るキャラクターとして描かれています。そうした曹丕の「優しさ」が伝わるセリフをいくつかご紹介します。

「我并不想与你为敌……只是这世道,从来容不得心软。」
「お前と敵になりたいわけじゃない……だがこの世は、優しさを許さないんだ。」

劉平(献帝)への友情と葛藤、そして優しさがにじみ出る名セリフ。自分の感情を押し殺し、冷酷な選択をせざるを得ない曹丕の心情が伝わります。

「你还是那个太软的人,总想着为别人牺牲自己。」
「やっぱりお前は甘すぎる。他人のために自分を犠牲にするなんて。」

一見、皮肉めいた言葉ですが、劉平の“優しさ”を知っているからこそ出るセリフであり、それに対して苛立ちつつもどこか羨望のような優しさがにじんでいます。

どの場面でこのセリフがでてくるのか?楽しみながら視聴してみたらいかがでしょうか?

「秘密の皇帝」ではこれ以外にも言葉の端々に、本当は誰かに愛されたかった、誰かを愛していたかったという感情が現れています。                                                そして、そのセリフを際立たせる演技をしているのが檀健次なのです。

檀健次(タン・ジェンジー)について

檀健次は中国の俳優・歌手です。1990年12月17日生まれ、身長176㎝。                      180㎝超えが当たり前のような中国俳優さんの中では小柄ですね。でもその存在感は抜群。

もともとはダンスグループのメンバーだったようです。この「秘密の皇帝」で曹丕を演じて以降、中国でとても注目を集めたようです。その後出演した現在ドラマ「猟罪図鑑」では、時代劇とはまた一味違う彼の魅力を発見できると思います。

曹丕の新たな一面に出会える「秘密の皇帝」檀健次の繊細な演技と共に、あなたもその世界に深く引きこまれてみてはいかがでしょうか?                                 きっと中国ドラマの奥深さに、もう一歩踏み込みたくなるはずです。

ぜひ様々な中国ドラマを楽しんでください。

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