中国ドラマ「秘密の皇帝」
これは歴史的に史実とはかなり違う内容ではありますが、登場人物や戦いにおいては史実とリンクする部分もあります。
ドラマを視聴していて、「史実ではどうだったのだろう?」
そんな疑問をもちませんか?
そして、三国志を良く知らない方には、「誰?」と思う登場人物もいるのでは?
この記事では、袁紹について、そして袁紹に実際に会った劉平の心の動き、そんなことを考えてみたいと思います。
ドラマの転換点「袁紹との対峙」
「秘密の皇帝」ドラマの中で、皇帝(劉平)が遠征に行くと言い出しました。
曹操の元で自由がきかない傀儡状態の劉平。
漢王朝存続のため、袁紹に期待を込めていたはず。
皇帝の遠征なんて、それは反対されます。
でも身分を隠し、皇帝の使者として袁紹のところに向かいますね。
なんと皇后まで一緒に。
そして、結局は袁紹に見切りをつけ、曹操を助ける形になります。
これは「官渡の戦い」。
この官渡の戦いはドラマの転換期とも言えます。
史実でも、この官渡の戦いは三国志における大きな分岐点とも言えます。
曹操が大軍の袁紹に勝利をおさめたのです。
この官渡の戦いとは何だったのでしょうか?
袁紹とは、どんな人物?史実の「官渡の戦い」とは?
袁紹(えんしょう)は名門袁氏の出身。
だからすごいんです。
優秀な人材を集め、経済的にも豊か。
そして野心もあります。
「皇帝」に対する野心。
しかし「献帝」を保護しようという計画は曹操に出し抜かれてしまいます。
その後、自ら皇帝を名乗ろうとしたようですが、これは周囲の反対にあい撤回。
圧倒的な優位な立場ある中、官渡の戦いで大敗し、衰退してしまいました。
大敗の原因は何だったのでしょうか?
袁紹は決断力や知恵が足りなかったようです。
優位な立場というおごりもあったのでしょうね。
兵の数だけではダメなんですね。
いかに、その人材をうまく活用するか?
これが大切です。
現在社会にも通じることだと、日々感じたりしませんか?
ドラマではこの「官渡の戦い」は皇帝(劉平)の関与が大きな勝敗の鍵です。
しかし史実ではもちろん、そんなことありませんでした。
史実では、あくまでの曹操の決断。
曹操の奇襲により兵糧庫「烏巣」を焼き討ちしたことで袁紹軍は大敗したのです。
ドラマでの「官渡の戦い」の意味
「秘密の皇帝」での官渡の戦いはどのような意味を持っているのでしょうか?
劉平は袁紹に期待していました。
でも、実際の袁紹に触れ、そして街の様子を見て希望が失望に変わりました。
袁紹は「漢のため」と言いながら、実際は権力に執着しています。
しかし、だからと言って曹操が…。
それでも葛藤の中、「民を守るため」にどうするべきか?
劉平は悩んだのです。
そして、出した答えは曹操に協力することだったのです。
劉平の強い覚悟、民を守るという思いがそうさせたのです。
そして、皇后の心まで動かす劉平。
このドラマの前半の劉平は、ただただ皇后の言うことを聞くしかなかった。
しかし、皇帝として徐々に成長していきます。
このドラマの面白さでもあります。
劉平は「漢を立て直し、民を救いたい」という理想を掲げています。
しかし、初めての遠征で、世の中の現実を目の当たりにしました。
そして、理想だけ語っていても仕方がない。何も誰も救うことができないと痛感したのです。
曹操は現実主義者。
かなり冷酷な人間に移りますが、でも国をまとめ民の命を守っているのだと気づかされたのでしょう。
袁紹はある意味、名門のおぼちゃま。
自分の権利や立場が大切なのでしょう。
ですから、正義を口にしつつも、本当は民の心はわからない。民を救うという思いは希薄だったのです。
この理想と現実の差をまじまじと見せつけられたのです。
曹操の心には「乱世を終わらせたい」という信念があったと感じたのでしょう。
それを読みとった劉平の心の動きを感じる戦いです。
「官渡の戦い」後、歴史はどうなった?
では、この「官渡の戦い」のあと、歴史はどう動いたのでしょうか?
史実では、この戦いで敗れた袁紹軍は衰退、その後病に倒れ死去しています。
その後、息子たちの内乱が起きました。
この内乱を利用し曹操はさらに勢力を広めたのです。
「官渡の戦い」は曹操の天下統一への大きな足がかりとなったのです。
しかし、歴史はそううまく流れません。
この後です。
そう、あの「赤壁の戦い」
ここで曹操は大敗するのです。
ここは曹操の決断のミスですね。
戦いは勝つこともあるし、負けることもある。
それが現実。
しかし、この「赤壁の戦い」の大敗は、曹操の天下統一の夢を大きく後退させました。
このドラマでは、あまり赤壁の戦いについては描写はありません。
ただ、曹操が負けた。
という報告があっただけ。
でも、この「赤壁の戦い」で敗れたことも、その後の歴史を動かしたのです。
「秘密の皇帝」のドラマを通し、三国志の流れを知るのも楽しいですね。
このドラマは登場人物の活躍する設定が、史実と大きき異なります。
ですから、史実を照らし合わせて見ていくと三国志の世界が楽しくなると思います。

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